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原状回復ではない「リフォーム」

2015年7月7日「火曜日」更新の日記

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建物の内装や設備の自然損耗・経年劣化に対して、修理や交換の費用を借主に請求するこ とは原則としてできません。 ところが実際には「何でもかんでも」請求をした結果として、いわゆるリフォームの費用まで借主に請求している場合があります。自然損耗・経年劣化についてでさえトラブルになる(しかも裁判になれば貸主が負けてしまうことが多い)のですから、リフォーム費用まで請求してしまえばその結論はいうまでもありません。 ●リフォームはどうやっても貸主の負担 新しい借主を募集する際には、建物をきれいにしておくことが不可欠です。建物の見た目がよく設備も新しいと、入居者の獲得は容易になりますし、適正な賃料の設定ができます。 しかし手入れをしない中古物件のままでは、周辺の新築物件などに顧客をとられてしまいますので、どうしても賃料を下げなければ入居者の猿得が難しくなります。そこで貸主としては、契約が終了して建物の明渡しを受けると、古いエアコンなどの設備を交換して新しくしたり、カーペットやクロスを新品に張り替えたりすることが少なくありません。 しかし、よくよく考えてみれば、物件をきれいにして募集をかけやすくしたいというのは貸主の都合です。まだ壊れてもないエアコンを「最近はやりのマイナスイオンの出るエアコンに替えて快適志向を打ち出そう」、ガスレンジを「子供がいる家族でも安心して使えるように電磁調理器につけ替えてオール電化マンションにしよう」とするなどは、もともとの建物の仕様・機能を維持するのではなく、さらに良くする「グレードアップ」です。 また、2年で借主が退去したためにカーペットにはほとんど傷みがないのに、「新しい入居者のためにカーペットを新品にする」というのは、壊れたものの修理・交換でもなければ必要な修繕でもありません。いってみれば模様替え、「リフォーム」ということになります。 このような費用を借主に請求すると、間違いなくトラブルとなります。旧式の設備の交換や、壊れているわけではない内装の交換などは修繕にならず、新しい入居者を獲得するための先行投資ですから借主に負担させるのは筋違いです。 ですから、醜守の原状回復特約の項でもくわしく説明をしますが、仮に契約書でリフォーム費用などまで借主の負担とする特約を定めても、裁判などで争われればその効力を否定されてしまうのがオチです。それどころか「悪徳貸主」のレッテルを貼られてしまうおそれもあります。

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