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間柱や壁野地板は白アリに強いヒノキで

2015年8月12日「水曜日」更新の日記

2015-08-12の日記のIMAGE
白アリの被害は思いのほか多いものだ。写真は柱や間柱だけでなく、壁まで白アリに食い荒らされてしまった家である。二階の床も白アリの被害にあっていることが分かる。東京都内にあるこの家は、築後七年ほどしかたっていない。「地震のとき、家が船のように揺れるので調べてほしい」と住人が訴えたことから、この惨状が露呈した。この例で分かることは、白アリは地上に近い部分だけを食うのではなく、被害は建物の上部にまで及ぶということだ。地面から一メートル以内の範囲に防腐剤を塗るといった対応では、それほど効果がないことが証明されている。 いちばん白アリにやられやすい木が黒松だが、黒松は柱や土台にはほとんど用いられない。次に被害にあいやすい木が、大部分の住宅メーカーや建売業者が土台や柱に使っている米ツガ材だ。一方、ヒノキやヒバなどヒノキ科の木が白アリに強いことは表にも表れている。ヒノキ科の木は精油分を含み、木自身が白アリなどの害虫から身を守るように進化している。中でも青森ヒバは白アリに絶大な効力を発揮する。青森ヒバにはヒノキチオールが含まれ、そのヒバから抽出されたヒバ油は殺菌力が強いので、リンゴの木の防腐防虫剤にも利用されている。ヒノキ科の材は芯の赤い部分が特に白アリに強く、土台に使うときは赤身の芯持ち材を使うとより効果的だ。 写真の白アリにやられた家では、柱と間柱は米ツガ、野地板(のじいた)は杉であった。野地板には、あばれにくく加工しやすい杉が好んで用いられるが、白アリや腐りに対する強さの点では、ヒノキは杉より優れている。やはり柱だけでなく、野地板もヒノキのほうがよいのである。釘の効き方も明らかに違うから、ヒノキを使えばしっかりとした壁を作ることができる。 ところで、「ヒノキ造り」をうたっているメーカーでも、間柱にはほとんどが米ツガを使っている。メーカーは「構造に関係ない部分だから問題ない」と言うが、写真を見る限りそうは言えないようだ。高温多湿な気候に適したヒノキや青森ヒバが、日本にはある。多少、費用がかかっても、本当にいい家を建てるためには、柱や間柱、野地板の材種にもこだわりたい。

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