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『あなたにとって良い住宅とはどういう住宅ですか』

2016年3月24日「木曜日」更新の日記

2016-03-24の日記のIMAGE
『あなたにとって良い住宅とはどういう住宅ですか』この質問に直ちに詳しく答えられた方は、ほとんどいないと思います。たいていは、「今より広い家」とか「今より勤め先に近い家」などという答えが浮かんだのではないでしょうか。その答えに対して、「"広い"とは何㎡あればいいのか」「"暖かい家"とはどの程度気密・断熱性能が高ければいいのか」などといった追加の質問をすると、ほとんどの方が答えることができなくなります。さらにややこしいのは、勤務先との距離も含めて、どの評価基準も現在の家との比較で、「今よりは良い」といっているために、「現在の家」がどうかによって、まったく評価が異なってしまうのです。よくある事態では、同じマンションに住む人が、一方は「暖かくて良い」マンションだと評価し、また一方が「マンションのくせに寒い」と評価することがあります。暑さ、寒さの感覚には個人差がありますが、この問題は、さらに前の住宅がどんな住宅だったかによって大きく変わってきます。一戸建ての、寒風が家の中を吹きぬける家に住んでいた人にとっては、マンションは天国です。では、果たして、そのマンションは良いのでしょうか、悪いのでしょうか。つまり、社会がある程度共通の評価尺度を持っていないと、その住宅が良いか悪いかは、一概に判断できないということです。日本には、未だに「何が良い住宅か」という評価を行うための基準がないのです。それでは、何をもって「日本の住宅の質が低い。もっと質を上げるべき」と主張することができるのでしょうか。それは、次のことを自問することで確認できます。『21世紀に今の住宅を残して、みんなで住みつづけていきたいか?』「住めば都」という言葉があるように、一般に人は住居に関しては保守的です。今の住宅に愛着を持っている人は多いでしょう。特に、高齢者には、歴史を持った住宅にこだわる方が多くいます。それでも、自分の孫子(まごこ)にまで今の家を継いでいってもらいたいか、というと答えは異なってきます。「自分はいいけどね……」ということになります。その答えのなかに、全体の評価があります。個別に分析的に評価しようとすると、明確な基準がないのでなかなか説明できないのですが、総合的に、直感的に評価すると、やはり日本の住宅は質的に向上していかないといけないのです。

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