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金融機関で積算評価が出る物件でも市場価値が低い場合がある

2016年10月14日「金曜日」更新の日記

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金融機関の積算評価とは、土地と建物の価格をプラスした価格です。その価格とは、土地は路線価を中心とした公的価格であり、建物は「再調達価格(その建物を今、建てる場合、どの位の建築コストがかかるのか試算したもの)」から、築年数分の償却部分を控除した現在価値。つまり、正味物件の価値そのものになります。市場性というのは、需給のバランスの中で、需要が供給より勝っていれば価値は上がり、その逆であれば価値は下がるというものです。他の要素は関係なく積算評価がいくら高くても、人々に必要とされない(ここでは賃貸の需要がないこと)物件であれは、自ずと市場価値は下がるのです。以前、クライアントから投資の相談を受けて物件を探す中で、中部地方のある温泉街に鉄筋の築浅物件を見つけたことがありました。建物はすこぶる良いもので、某有名工務店が施工していました。温泉街の中心に位置し、駐車場もあり、某メガバンクの積算評価も物件価格を大幅に上回っていました。しかし、最終的にクライアントは購入を見送りました。なぜかと言えば、まったく市場性がなかったからです。その温泉街は昨今不景気の煽りが直撃しており、そこに勤める方々も出入りが激しく、アパートの需要はほとんどありません。また、たまにあったところで知らない間に居なくなってしまい、残置物の処理等に悩まされたり、コストがかかって大変だというのです。たまたま他のクライアントで、その地域に親戚がいる方かおり、なおかつそのご親戚が、同温泉街にアパートを持っているという偶然に恵まれました。そこで、又聞きながら色々と実情を伺ってみたところ、夜逃げと家賃の滞納が頻発して困っており、亡くなったご家族から相続したものの、迷惑ばかりで「格安でも処分できるものなら処分したいが売主が見つからない!」と言っているとのことでした。とにかく、積算評価は重要なものではあるが、それが全てではないということはお忘れなきよう。

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