トップ > 平成28年10月> 30日

居住者の高齢化

2016年10月30日「日曜日」更新の日記

2016-10-30の日記のIMAGE
わが国が高齢社会に入ったのは一九九七年六月だった。六五歳以上の高齢者人口が総人口の一五・五%に達したのである。わが国で分譲マンションの建設が本格化したのは、一九六〇年代からであるが、初期に建設されたマンションでは、建物・設備の老朽化とともに、居住者の高齢化も進行している。マンション居住者の高齢化は、今後の管理組合運営にたいする大きい不安になる。すなわち、いっせいに分譲された大規模団地の入居者がつぎつぎと定年を迎え、子どもたちが進学・就職・結婚で転出すると、高齢者層の占める割合が増加する。入居時の年齢は接近しているから、この変化は急激におこりやすいことが予想される。マンション居住者の高齢化が管理組合の運営におよぼす影響については、以下のような問題が指摘されている。(1)共用部分のバリアフリー化体が不自由な人が増えるので、段差部分のスロープ化や階段に手すりを設けるなどの対策が必要になり、管理組合の出費が増えることになる。救急車の出動件数も増え、そのためのバリアフリー対策も必要になる。エレベーターに担架の急病人を乗せる設備があることも大切である。その設備とは、エレベーター室のつきあたり壁面下部のパネルを外すと、担架を搬入できる空間があらわれるようになっている。(2)金銭の自己管理困難による管理費滞納問題高齢化にともない、だれでも痴呆状態におちいる可能性がある。問題がおこるのは配偶者がいない場合である。管理組合としては、管理費などを円滑に徴収していけるかという問題がおこる。このようなケースにたいしては、一九九八年四月に公表された「成年後見制度の改正に関する要綱試案」に新たにもりこまれた補助人の制度が、対策の一つとして期待されている。(3)管理組合運営の硬直化建物の老朽化にともなう修繕などの業務も多くなる。管理組合役員の仕事は増大する一方である。しかし、居住者の高齢化は管理組合役員にも影響をおよぼす。これらの事態は管理組合運営を硬直化させる深刻な問題である。建設省は、このような現状を踏まえて、二〇〇〇年四月から施行される「住宅品質確保促進法」の目玉の一つである「住宅性能表示制度」の表示事項に、「高齢者等への配慮に関する事項」を設定し、それぞれ住宅の専有部分と共用部分にたいして、五段階の高齢者などへの対策等級を表示することにした。共用部分については、共同住宅の住棟出入口から住戸玄関までのあいだにおける身体弱化にたいする配慮のため必要な対策のていどとして、五段階の表示をおこなうことにしている。仕様基準には、移動の安全性の対策として、階段の勾配・形状、エレベーターの設置、段差の解消、事故防止のための手すりの設置などを規定し、介助の容易性としては、エレベーターの寸法、廊下・出入口の幅などが規定される。

このページの先頭へ