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モルタルの亀裂は「構造クラック」を疑う

2016年12月22日「木曜日」更新の日記

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<築年数が浅いのにヒビ割れるのは、施工不良>新築でも、早いところになると約半年で外壁のモルタルにヒビが入ることがあります。これは明らかに欠陥工事。本来数年はヒビが入らない構造になっているはずだからです。それではまず、モルタル壁の構造から説明しましよう。下地板のうえに防水紙、ラス(金網)、モルタル下塗り、中塗り、上塗りと重ねていきます。塗りは各二回、二週間以上あけて行い、モルタルだけで厚さ二十五ミリ以上が公庫の基準とされています。この基準を守り、調合も間違いなく施工してあれば、まず一年や二年でヒビや亀裂などが発生することは考えられません。しかし実際にはそのような苦情が絶えないのです。そして、その部分から水が入り込むと、室内の壁にカビが生えたり、結露したり、壁紙がはがれたりします。長年のうちには、骨組みの木材が腐ってしまうかもしれません。そうなったら大変とばかりに、ヒビ割れたモルタル部分をその都度補修してもムダというもの。その場限りの応急処置に過ぎません。築年数五年以下で亀裂が入る場合は、問題ありと疑うべきでしょう。西田章雄さん(三十九歳)が購入した新築建売住宅街は、突貫工事で仕上げたのか、次から次へとトラブルが発生します。先日の台風では、隣近所半分以上の家で雨漏りがありました。入居後一年もたたないのに、新築には見えないほど壁にヒビ割れが目立つお宅も。数力月前、西田さんも「壁がポコポコしているよ」と子どもにいわれました。なるほど横からよく見れば、部分的にうねっているのがわかります・建築にくわしい友だちに相談すると、「壁が浮いているのでは。カナヅチで軽くたたいてみると音でわかるよ」―さっそく試してみるとポコポコと空しい音が……。西田さんの頭の中もすっかり空っぽになってしまったのです。亀裂や浮きの原因は、下地板やラスの取り付けの不具合、素材の質の悪さ、モルタルの厚さ不足などが代表的なもの。その場合、下地のやり直しや壁の塗り替えで解決します。もし窓のまわりだけに亀裂が目立つようなら、目地止めやコーキング処理(接ぎ目などの小さいすき間にパテ状の充填材を詰めること)がきちんとできていないかもしれません。いずれにしても、亀裂を放置しておくと壁がはがれ落ちることもありますので、早めの処置が必要です。とはいえ、これらのことは建売住宅などの場合、外側から知ることは出来ません。どういった構造にしてあるのか、業者に確認するしか手はありません。<「構造クラック」の危険信号>モルタルには伸縮する性質や吸水性があり、塗装などのメンテナンスが悪いと年月とともにヒビ割れてくるのは仕方がないこと。それらのヒビ割れが多くなったら、何年かに一度は全而的に補修するべきです(五年に一度のメンテナンスは必要)。ただし、「ひとつの方向だけに亀裂が入る」「大きく斜めに亀裂が入る」という場合は危険信号。モルタルだけの伸縮か原因ではなく、家そのものが変形している可能性があります。これは「構造クラック」と呼ばれ、慎重な対処を要します。もし中古住宅でこのようなケースに遭遇したら、いくら業者が「塗り直すから」といったとしても、絶対に買ってはいけません。ヒビや亀裂はまた発生しますし、家自体が変形しているので、どんな危険が起こるか分からないからです。不幸にして買った後でそうなってしまったら……素人判断は禁物。まず、第三者の建築士にチェックを依頼することをおすすめします。基礎や構造の問題ですから、あとは建築士や弁護士に交渉を任せたほうがいいでしょう。

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