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公開空地

2017年2月11日「土曜日」更新の日記

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不動産のプロから見て、管理が行き届きやすいマンションは、敷地内や駐車場に無用の人が入れないようになっている物件。その反対に、敷地内に居住者以外が自由に出入りできるマンションだと、管理がしにくく、余計な手間が掛かることがあります。「敷地内に居住者以外が自由に立ち入ることのできる」場所の一つが、公開空地。マンションの所有地なのですが、マンション住民以外に開放されている場所、という意味で「公開空地」の名前が付けられています。なんで、マンションの敷地なのに、居住者以外でも自由に出入りが許されるのか。それには理由があります。例えば、総合設計制度を利用して超高層マンションを建てようとした場合、公開空地設置が義務付けられてしまうことがよくあるのです。本当は、高さ制限などで、この場所には超高層の建物(地上60メートル以上、階数で20階程度以上)を建てることは許されない。でも、「敷地に小公園などを設け、マンション住民だけでなく、周辺住民も憩える場所としてくれれば、建物の高さ制限を緩和してもよいですよ」というのが総合設計制度。この制度を利用して超高層マンションを建設すると、どうしても周辺住民も憩える場所=公開空地が生まれてしまうわけです。だったら、総合設計制度など使わなければよい、と思うかもしれません。ところが、この制度を使うと、マンション購入者にもメリットが生まれます。だから、使わざるを得ないのです。購入者が享受するメリットは、ズバリ分譲価格が下がるということ。総合設計制度を利用して超高層マンションを建設すれば、超高層でないマンションを建てる場合と比べて、建物のフロア数が増えます・総合設計制度を使わなければ、18階までの建物。しかし、総合設計制度を使えば36階建ての建物が建設できる……そのような違いが生じます。つまり、総合設計制度を使えば、より多くの住戸を設置できるわけです。分譲戸数が増えれば、1戸当たりの土地割り当てが減ります。つまり、土地代として負担しなければならない金額が安くなります。10億円する土地に、18階建て全100戸のマンションを建設した場合、1戸当たりの土地代割り当ては平均1000万円。ところが、総合設計制度を使い、地上36階200戸のマンションを建設した場合、-戸当たりの土地代割り当ては500万円に下がります。その結果、分譲価格全体を下げることができる……簡単に言うと、そのようなメリットが購入者にもたらされるわけです。総合設計制度を活用したマンションは、駅前など便利な場所に建設されることが多くなります。そういう便利な場所には緑のスペースが不足しがち。だから、マンションを造るときに、緑スペースが生まれると、街づくりにも役立つ。行政がそのように判断したときに、総合設計制度を活用したマンションが誕生しやすいのです。分譲価格が抑えられるのはいいのですが、公開空地が若者のたまり場になり、それを排除するためマンション住人で自警団を結成するといったことになりがち。それで、最新のマンションは、公開空地を造っても、人が入りにくいように傾斜を造ったり、樹木を密集させる、というようなことを行うようになりました。管理の経験から、「公開空地はこのようにしたほうがよい」といった意見が管理会社から挙がり、売り主の不動産会社が新規分譲マンションのプランに生かす。そんな動きが生まれているのです。

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