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提供公園

2017年2月12日「日曜日」更新の日記

2017-02-12の日記のIMAGE
「公開空地」と似たような言葉で「提供公園一というもがあります。総戸数が200万を超えるような大規模マンションでは、この「提供公園」付きになっているケースが目立ちます。では、この提供公園が不良のたまり場になったときも、マンション管理組合は自警団などを結成する必要性が生じるのでしょうか。答えを申し上げると、「ノー」です。提供公園に関して、管理組合が自警団を結成することはまずありません。それは、公開空地と提供公園の性格が異なるからです。公開空地は、マンションの敷地を一般の人にも開放するもの。公共の公園のように見えても、土地の持ち主はあくまでもマンションの区分所有者。これに対し、提供公園は区分所有者のものではなく、市や区など自治体のものです。この点について、詳しく説明しましょう。大規模のマンションが建設されると、野原や緑がなくなり、ともすれば、街の潤いがなくなってしまいます。そこで、一定以上の大規模マンションを建設するときは、定められた広さの公園を造り、自治体に委譲しなければならない、という決まりを設けているところが多くなっています。この決まりに従って造られ、所有権も自治体に渡される公園、それが提供公園です。つまり、提供公園の持ち主は自治体で、自治体のお金で掃除や樹木の手入れが行われ、安全対策も自治体によって施されます。例えば、提供公園が不良のたまり場になっていれば、自治体に連絡し、対策を要求すればよいのです。提供公園で起きたトラブルは、自治体の責任で解決されるのです。区分所有者は全員が"大家さん"そのマンションは都内に立地し、総戸数が500戸を超えるメガ規模。敷地も広大だ。その敷地計画を行うに際し、管理会社は1つの提案をした。敷地の一画、外を向いたところに共用の建物を造り、クリニックなどに貸して、賃貸収益を得る。それを区分所有者に分配し、適切な税務処理を前提に管理費や修繕積立金に充当することはできないか、と。その際、二つの条件を付けた。まず、賃借人(借りる人)は、マンションの住民に迷惑を掛けず、マンションのイメージを下げない商売の人に限る。マンション居住者にとって、便利な商売であれば言うことなし。もう一つ、賃借人が営業するとき、客がマンションの敷地内には入らないように設置方法を工夫する。24時間営業のお店で、店舗前にたむろする人が生じ、一部がマンションの敷地内に入って騒ぐようなことがあると困る。そのような事態が生じにくいよう、賃貸用建物の出入り口を工夫し、営業時間の制限も加える。以上の条件に加え、法律や条令に違反しないような店舗が入る建物とする……一」のような「賃貸付き」の分譲マンションはちょっと珍しいだろう。一方で、一戸建てや賃貸マンションであれば珍しくない。大家さん一家が最上階の5階に住み、?階はコンビニ、2階から4階までは賃貸住宅というようなケースが、その代表。一戸建てでも、駅に近い場所なら、‐階を塾に貸したり、飲食店に貸すケースをよく見かける。しかし、分譲マンションでは珍しい。理由は、管理の面倒が増えることが大きいと思われる。賃貸に出すことでお金が入ってくることは喜ばしい。しかし、賃貸収益の管理・分配は手間が掛かる。きちんと家賃が払ってもらえないときはどうするか、賃借人とのトラブルが起きたときは?家賃収益をどのように配分するか……いろいろな手間を想定すると、手を出さないほうが無難となりがちなのだ。ところが、そのマンションは、「賃貸付き」に踏み切った。管理に関して、きちんとこなす自信があったからに他ならない。敷地内の賃貸用建物をクリニックに貸して、家賃収入を得る。クリニックはマンションの敷地内にあるが、出入り口はすべて敷地外を向いているので、クリニックに通う人たちがマンションの敷地に入ることはない。マンションの居住者も、そのクリニックに通うためには、一度外に出て、外からクリニックに入らないといけない。それでも、身近にクリニックがある、という安心感は大きい。何より、大きなメリットは、各区分所有者に"家賃収入"があること。といっても500戸を超える規模なので、?戸当たりの収入は1年で一万円程度。それでも、プチ大家気分が味わえる。年に一万円程度の収益は、毎月払う管理費等に充当される。その明細書が各住戸に配られる仕組みだ。サラリーマン世帯で、確定申告が必要な人は、この明細書を申告に使うことができる。そこまできちんとした「管理」ができるからこそ、「賃貸付き」マンションが実現したことになる。日本には、そんなマンションも存在しているのである。

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