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市販の契約書式を使うときの注意

2017年5月18日「木曜日」更新の日記

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 文具店などでは、印刷文字で記載された契約書式を販売していますので、一般の人はこれらを利用することも多いでしょう。土地賃貸借契約書、駐車場賃貸借契約書、建物賃貸借契約書の他金銭消費貸借契約書、不動産売買契約書など様々な種類の書式が販売されています。簡便だし、一応の要件が既に不動文字(消したり、改ざんしたりできない文字)で印刷されているので大きなミスが起きにくく、また第三者が標準的に作成したものですから、当事者双方にとって一応中立的に見えます。しかし、これらの書式の一部のものは、次のような注意すべき事項があります。①当事者双方にとり、必ずしも公平とはいえないものもあります。一般的に賃貸借契約書では貸主側に有利になっている場合が多いようです。②法律上の効力がない事項が記載されていることもあります。たとえば、不動産の賃貸借契約の場合、明渡し時の建物買取請求権、法定更新を否定する文言が入っているなど、借地借家法によれば効力が認められないと思われる条項が記載されている場合も多いのです。したがって、不動文字で印刷されていても、その記載どおりの効力があると信ずるのは危険です。③不動文字の内容をよく読まないで契約を締結する場合が多いため、実際に望んでいたのとは異なる内容の契約を締結してしまう可能性があります。④更に、これらの書式の余白に特約事項として実際に特に望んでいる契約の内容を記載する場合がありますが、この特約条項と印刷された条項との間で一貫性を欠いたり、相互に矛盾する内容となってしまう可能性があります。したがって、市販の契約書式を使う場合は、いま結ぼうと思っている契約の内容がこの市販の契約書式に矛盾なく合致するか、必要十分な内容をもっているか等をよく確認してから使う必要があります。なお、内容の一部が不要な場合には、書式の中の不動文字で印刷されたその部分の条項を削除して使えばよいのですが、あまりにも削除する部分が多いときには、使用を諦めて、初めから自分で作成したほうが間違いないでしょう。

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