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建物の貢貸借契約の要点

2017年5月23日「火曜日」更新の日記

2017-05-23の日記のIMAGE
 (1)借家の修繕義務の特約規約がなければ、貸主は通常の状態の建物を借主に使用させる義務を負っていますので、通常の使用に必要な程度に、借家を保つ修繕義務を負います。しかし、特約で「本件建物についての建具、照明等の修繕義務は借主が負う」などと定めれば、その条項どおりに借主がその義務を負うことになります。(2)賃料値上げに関する特約賃料の額は、貸主・借主の利害が最も端的に衝突する事項です。そのため、賃料値上げに関するトラブルも後を断ちません。そこで、賃料値上げがスムーズにできるように特約を定めることがあります。この特約は、内容が合理的なものであれば有効とされています。(3)更新料の特約前述のように、更新拒絶が容易には認められず、存続期間の満了による明渡しが困難であるからといって、その存続期間の定め自体が無効となるわけではありません。存続期間満了後、明渡しがなされないのは、更新拒絶が制限されたために契約が更新されたからです。そこで、契約を更新する場合には更新料を支払う旨の特約をしておけば、法定更新だろうと合意による更新であろうと貸主は借主に更新料を請求することができます。(4)造作買取請求権借主が貸主の同意を得て付加した造作(畳、建具等)は、契約が終了したとき惜主の請求があれば、貸主は時価でこれを買い取らねばなりません。これを拒否する特約は、以前は借家法により無効となっていましたが、改正法により、改正法施行後に成立した特約に限り有効となりました。(5)確定期限付の建物の賃貸借改正法により、一般の建物の賃貸借とは別に、契約の更新のなされない確定期限付きの借家制度が認められました。これには賃貸人不在の場合と、取壊し予定建物の場合の二種類があります。『公正証書とは何か』 ふつうの借地契約、借家契約は私人が作成する契約書でもちろんよいのですが、今回の改正により、短期型定期借地権の設定は公正証書の作成が効力要件とされました。公正証書とは、公証人が作成した契約書などの文書のことをいいます。契約当事者が公証人役場へ出向いて公証人に契約内容を申述すれば、公証人がその趣旨に沿った公正証書を作成してくれます。公証人役場には、次のものを持参します。①契約当事者の印鑑証明書②契約当事者の実印3当事者が会社の場合には会社の資格証明書、商業登記簿謄本、抄本などなお、契約当事者自身ではなく代理人が出向く場合には、本人の実印を押印してある委任状とその印鑑証明書および代理人自身の実印と印鑑証明書が必要です。委任状には契約内容の主要部分および強制執行認諾条項を付す旨を記載しておかなければなりません。契約内容が複雑なときは契約内容を別の書面にし、委任状に「別紙のとおりの契約を締結する件」と記載してその書面を添付すればよいでしょう。賃貸借契約を公正証書としておくと、土地・建物の明渡しについては強制執行力をもちませんが、賃料、更新料、違約金などの金銭の支払いについては判決などと同様に債務名義として強制執行をなす効力をもちます。公証人役場は東京都に四三ヵ所、全国には三一五ヵ所あります。原則として、どこの公証人役場で作成しても効力に影響はありません。

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