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『門松』と『手洗いが縮んで盥(たらい)』

2017年8月6日「日曜日」更新の日記

2017-08-06の日記のIMAGE
お正月は門松を立て、玄関には注連飾、床の間や飾棚には鏡餅にダイダイをのせて祝います。門松という名は、それを家の外庭の正面に立てたので名付けられ、必ずしも松に限りません。芯のある木に神は降臨すると信じ、正月の神を迎える依代=神霊が宿る目標物=なのですから、その年の恵方を選んで屋敷内に建てるものなのでしょう。常緑の松、生長の早い竹、風雪や厳冬の寒気に耐え、他の植物にさきがけて花を開く梅、松竹梅は縁起物の一つです。玄関に飾る注連飾も、神棚に飾る注連縄も神霊を迎えるための清浄な場所を意味するものです。ワラの尻を切り捨てないで、そのままこめてなった縄=しりくめなわ=尻久米縄が注連縄になったようです。一般には向かって右側が上座とされているので、注連縄を飾るとき、太い方が上座になるようにします。しかし、所によってはその逆もあるようです。例えば、細い方を船首に見たてて、出入口に向いていれば出船、その逆が入船と考え、商売の種類によって使い分けている場合があります。 盥は桶の一種で、手洗いの言葉が約されたものですが、左右に耳のような突起をもった耳盥や、両側に角(つの)のような突起をつけ、手水を使うとき、衣服をおさえるための角盥など、特異なたらいがありました。上製のものは漆塗りで金蒔絵(まきえ)をほどこし、調度品として扱われたものもありました。一般には耐水性のヒノキ、スギ、サワラなどの木材が用いられ、大正時代に入って洗面用にトタン、アルミニウム、アルマイト、ほうろうびきなどの金盥(かなだらい)が用いられていましたが、今日では大部分が金属製のものから合成樹脂性のものに変り、カナダライという言葉も消えてしまいました。近年、手水器、洗面器は衛生陶器になり、長石質粘土を主原料とし、焼き固めて作ったもので、白色のほか色物が使われるようになりました。それに付属する金具も実用的なものから装飾用へと変りつつあります。いままでの機能主義から、豊かさを求める時代になったのでしょうか。

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