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『家族とともに成長する「体育館住宅」』

2017年8月23日「水曜日」更新の日記

2017-08-23の日記のIMAGE
幸運にも、子どもが小さい時期に家を建てるチャンスを得たら、内装や仕上げを落としてでも、極力大きな家を建てることだ。もちろん、法制限とお金の許す限り、だが。"狭楽しさ"を主張する私がこういうと、大変な矛盾を感じる人がいるかもしれないが、じつはこれこそ空間の重ね利用の極意なのだ。小さな部屋をごちゃごちゃ小刻みに仕切るより、一つの大空間の住まいにする。題して「体育館住宅」。当初は二階の床も張らず、巨大な吹き抜けのワンルームの総二階を建てるのである。外から見れば完全な二階家だが、中はまさに体育館のように天井の高い巨大な空間だ。 床面積は広くはないものの、天井は高く、梁からブランコでも吊り下げれば、小さな子どもたちと楽しい住生活を満喫できる。狭い敷地でも、安くて大きな家になるのだ。この「体育館住宅」の本領は、将来にこそ発揮される。子どもが小さいうちは、親の寝室だけを囲って、あとはカランとした大広間。バスケットのかごを取り付け、子どもとバスケットの練習なども可能な、まさしくアクティブな体育館なのだ。次第に子どもが成長すると、勉強する場所が欲しくなる。夫も書斎が欲しい。物も増えてきて、納戸も必要、などの要望が次々と出てくる。そんなときを迎えたら、八タハタと二階の床を張り、洋服ダンスなどの収納家具で仕切って個室をつくっていく。もともと住まいの外郭ができているから工事は簡単。大きさも最初から同じだから、二階や脇に増築することに比べたら、他人に迷惑もかからない。間仕切りも簡単にできるので、父親の日曜大工でもできる。家族は時間とともに成長し、変化する。当然、住まいもその変化に対応すべきなのだ。親の寝室は当初と変わりないが、体育館広間が次第にリビング、書斎、納戸、子ども部屋と仕切られていって、別々の用途に使われる。これこそ家族のライフサイクルに応じた、空間の重ね利用である。

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