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建物の形はシンプルがいちばん

2017年9月26日「火曜日」更新の日記

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マンションの形は、平面的にも立体的にも、整形(長方形や正方形など)で単純なものほど構造的にはしっかりしていて、理想的と言えます。  素人考えからすると、積み木細工を想像して、煉瓦を1枚立てた形よりも、上から建物を見たときにL字型、凸型、凹型のほうが倒れにくく、地震にも強いのではないかと思うかもしれませんが、実際はまったく違います。 地震などで建物が大きく揺れたとき、「入り隅」 (壁など2つの面が出合う内側のへこんだ側)の部分に余計な力がかかり、壊れやすくなるのです。  その証拠に、超高層建築で複雑な形をしたものは、ありません。 また、阪神・淡路大震災では、複雑な形状の建物が入り隅の部分で破壊した例が多く見られました。  大きな敷地に建つL字型や凹型のマンションは、実際には、いくつかの単純な四辺形の建物に分かれています。こうした複雑な形状の建物の場合、この四辺形の建物のつなぎ目に「エキスバンション・ジョイント」という装置を採用していなければなりません。  エキスパンション・ジョイントは、四辺形の建物のどちらか片方に固定し、他方の建物とはフリーにして廊下部分などで双方に渡しかける、ステンレス鋼などで作られた装置です。  と、言ってもわかりにくいでしょう。これは、たとえば、デパートの本館と新館をつなぐ通路のつなぎめに見ることができます。 ほかの例で言えば、電車の車両と車両の連結器の上の通路部分、つまりアコーディオン状のカバーで覆われたところの床部分が同じ原理でつくられています。  もし、完全につなげてしまったら、地震などで建物が大きく揺れたとき、入り隅(結合部)に余計な力がかかり、壊れやすくなるのです。片方を固定し、もう片方をフリーな状態にすることで、何らかの圧力がかかっても、連結部に過度の力がかからないようにしているのです。ですから、一見するとL字型や凹型の建物は、L字型なら2棟、凹型なら3棟の四辺形の建物に分かれていて、エキスパンション・ジョイントで機能上つながって いるだけで構造上はつながっていません。    ただ、この隣り合った四辺形の建物は、それぞれに形状や向きが違うので、地震のときにはそれぞれ違った揺れ方をします。そのため、建物と建物の間隔(エキスパンション・ジョイントの間隔)が足りないと、建物同士がぶつ かってしまいます。    それを防ぐため、建物の構造や高さ、幅、地盤にもよりますが、普通は30~40センチメートル(建物高さの100分の1以上)の間隔を空けて建物を配置するのですが、1978年に起きた「宮城県沖地震」や阪神・淡路大震災では、この間隔が足りなかったために、建物同士がぶつかった傷跡が、多く見られました。

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